
職務要約の書き方
職務要約は、これまでの仕事経験を短くまとめ、採用担当者に「どのような経験やスキルを持っている人なのか」を伝えるための重要な項目です。職務経歴書の冒頭に記載することが多いため、最初に目に入る部分として、分かりやすく整理することが大切です。
しかし、「職務経歴をそのまま短くすればいいの?」「何を書けば採用担当者に伝わる?」「転職回数が多い場合はどうまとめればいい?」など、初めて職務要約を書く人には分かりにくい部分もあります。
職務要約では、これまでの職歴をすべて詳しく説明する必要はありません。経験した業界や職種、主な仕事内容、身につけたスキル、実績などを簡潔にまとめ、採用担当者がその後の職務経歴を読みたくなるような内容にすることがポイントです。
この記事では、職務要約の基本から具体的な書き方、見本を使った作成方法、職種別の例文、NG例、注意点まで詳しく解説します。職務経歴書を初めて作成する人にも分かりやすいように紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 職務要約とは何か
- 職務経歴書の中で職務要約が重要な理由
- 職務要約に書くべき内容
- 読みやすい職務要約のまとめ方
- 職種別の職務要約の例文
- 職務要約を書くときの注意点
- 避けたいNGな書き方
職務要約とは?
職務要約とは、これまでの職歴や仕事内容を数行程度にまとめた文章です。職務経歴書の冒頭に配置し、採用担当者が応募者のキャリアを短時間で把握できるようにします。
たとえば営業職として5年間勤務してきた場合、勤務先や担当業務をすべて細かく説明するのではなく、「法人営業として5年間、新規開拓と既存顧客のフォローを担当し、年間売上目標を達成してきた」といった形でキャリアの全体像を伝えます。
職務要約を読めば、その後の職務経歴を詳しく確認しなくても「どのような仕事を経験してきたのか」「どんな強みがありそうなのか」が分かることが理想です。
職務要約が重要な理由
採用担当者は多くの応募書類を確認することがあります。そのため、職務経歴書の冒頭にある職務要約で、自分のキャリアを簡潔に伝えることが重要です。
職務要約が分かりやすく整理されていれば、採用担当者はその後の職務経歴や実績にも目を通しやすくなります。
反対に、職務要約が長すぎたり、仕事内容だけを羅列していたりすると、応募者の強みや経験が伝わりにくくなります。
職務要約に書くべき内容
職務要約では、次のような情報を組み合わせると、キャリアの全体像を伝えやすくなります。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 経験年数 | これまでの職種や業界での経験年数 |
| 職種・業界 | 経験してきた仕事や業界 |
| 仕事内容 | 主に担当してきた業務 |
| スキル | 仕事を通して身につけた能力 |
| 実績 | 売上・達成率・業務改善などの成果 |
| 強み | 応募先で活かせる経験や能力 |
すべての項目を無理に盛り込む必要はありません。応募先の仕事内容に合わせて、特にアピールしたい経験や強みを選びましょう。
職務要約の書き方・記入見本
職務要約は文章だけで考えるより、実際の記入例を確認しながら作成するとイメージしやすくなります。
まずは、職務要約が職務経歴書の中でどのようにまとめられているのか、全体の見本を確認してみましょう。

この画像を参考にしながら、自分の職務要約に「どのような情報を入れるべきか」を確認してください。最初からきれいな文章を作る必要はありません。まずは自分の経験を箇条書きで整理すると書きやすくなります。
次に、職務要約の中で特に確認しておきたいポイントを見てみましょう。

職務要約では、経験した職種や仕事内容だけでなく、応募先で活かせる経験が伝わるようにまとめることが大切です。これまでの仕事をただ並べるのではなく、「何を経験してきたのか」「何ができるのか」が分かる内容を意識しましょう。
最後に、自分の職歴に置き換えて職務要約を作成するときのポイントを確認します。

3枚の見本を参考にしながら、自分の職歴から重要な情報を選び、短くまとめていきましょう。
職務要約はどのくらいの長さがいい?
職務要約は、長々と職歴を説明する場所ではありません。採用担当者が短時間でキャリアの概要を理解できる程度にまとめることが重要です。
文章が長すぎると、職務要約と職務経歴の役割が重複してしまいます。反対に短すぎると、どのような経験を持つ人なのか分かりにくくなります。
「経験した職種・業界」「主な仕事内容」「強みや実績」を中心に、必要な情報を絞り込むと読みやすい職務要約になります。
職務要約を書く手順
職務要約を作成するときは、いきなり文章を書き始めるよりも、次の順番で整理するとスムーズです。
- これまでの職歴を整理する
- 経験した職種や業界を確認する
- 主な仕事内容を書き出す
- 身につけたスキルを整理する
- 実績や成果を確認する
- 応募先で活かせる経験を選ぶ
- 重要な情報を数行にまとめる
たとえば営業職なら、「営業経験5年」「法人顧客を担当」「新規開拓と既存顧客のフォロー」「年間売上目標120%達成」など、まずは必要な情報を箇条書きにします。
その後、情報を自然な文章につなげると、職務要約を作りやすくなります。
職種別の職務要約の例文
営業職の例
法人営業として5年間勤務し、新規顧客の開拓から既存顧客のフォロー、提案資料の作成、契約手続きまで幅広く担当してきました。顧客の課題を丁寧にヒアリングし、ニーズに合わせた提案を行うことを得意としています。年間売上目標の達成を継続し、顧客との長期的な関係構築にも取り組んできました。
営業職の場合は、担当顧客、営業スタイル、実績、得意な営業手法などを盛り込むと、経験が伝わりやすくなります。
事務職の例
一般事務として4年間勤務し、電話・メール対応、データ入力、書類作成、請求書処理、備品管理など幅広い事務業務を担当してきました。ExcelやWordを使用した資料作成にも対応し、正確かつ効率的な業務処理を意識して取り組んできました。周囲と連携しながら、スムーズな業務進行を支えることを得意としています。
事務職では、担当業務だけでなく、使用できるソフトや業務改善、正確性などもアピールポイントになります。
販売・接客職の例
小売店舗で5年間、接客販売を中心に、商品管理、レジ対応、売場づくり、新人スタッフの教育などを経験してきました。お客様の希望を丁寧に聞き取り、ニーズに合った商品を提案することを心がけています。接客だけでなく、店舗運営やスタッフ教育にも携わってきたことが強みです。
IT・エンジニア職の例
システム開発会社で4年間、Webシステムの開発・保守業務に携わってきました。要件確認から開発、テスト、運用までの工程を経験し、チームメンバーと連携しながらプロジェクトを進めてきました。複数の開発案件を通して、技術面だけでなく、スケジュール管理やコミュニケーションの経験も積んでいます。
転職回数が多い場合の職務要約
転職回数が多い場合は、勤務先を一つずつ細かく説明するよりも、これまでのキャリアに共通する経験やスキルをまとめる方法があります。
たとえば複数の会社で営業を経験してきたのであれば、「法人営業を中心に10年間経験し、新規開拓から既存顧客のフォローまで幅広く担当」といった形で、キャリアの一貫性を示すことができます。
異なる職種を経験している場合も、応募先に関連する経験を中心にまとめることで、採用担当者に伝えたいポイントを明確にできます。
未経験職種へ転職する場合の職務要約
未経験の職種へ応募する場合でも、これまでの経験から活かせるスキルを探しましょう。
たとえば営業から事務職へ転職する場合、顧客対応で培ったコミュニケーション能力、資料作成、スケジュール管理、パソコン操作などは、事務職でも活かせる可能性があります。
「未経験だから書けることがない」と考えるのではなく、応募先の仕事内容を確認し、これまでの経験との共通点を探すことがポイントです。
職務要約でアピールしたい実績
職務要約に実績を入れられる場合は、具体的な数字を活用すると説得力が増します。
- 売上目標の達成率
- 契約件数
- 担当顧客数
- 業務時間の削減
- コスト削減
- 顧客満足度の向上
- 社内表彰や受賞経験
ただし、数字を無理に入れる必要はありません。数字で表せない場合は、どのような業務改善を行ったのか、どのような役割を担ったのかなど、具体的な経験を記載しましょう。
職務要約のNGな書き方
仕事内容を羅列するだけ
「電話対応、データ入力、書類作成、来客対応を担当」といった仕事内容だけでは、応募者の強みや経験の深さが伝わりにくくなります。
仕事内容を記載したうえで、得意な業務や工夫したこと、成果などを加えると、より具体的な職務要約になります。
抽象的な表現ばかり使う
「責任感があります」「コミュニケーション能力があります」といった表現だけでは、どのような経験によって身についた能力なのか分かりません。
「顧客との長期的な関係構築を担当し、継続契約につなげた」など、具体的な経験と結び付けることが大切です。
長く書きすぎる
職務要約で職務経歴の内容をすべて説明すると、情報量が多くなり、かえって読みにくくなります。詳しい仕事内容や実績は職務経歴の項目で説明し、職務要約ではキャリアの全体像を簡潔に伝えましょう。
応募先と関係のない情報が多い
自分の経験をすべて書くのではなく、応募先で活かせる経験を優先しましょう。求人情報を確認し、求められている能力と自分の経験が重なる部分を職務要約に取り入れると、アピールポイントが明確になります。
初心者向けポイント
職務要約を書くのが難しい場合は、まず「私は何の仕事を何年経験してきたのか」「主に何を担当してきたのか」「仕事を通して何ができるようになったのか」の3点を考えてみましょう。
そのうえで、応募先の求人を確認し、「その経験の中で応募先でも役立ちそうなものは何か」を考えます。
最初から完璧な文章を作る必要はありません。箇条書きで情報を出してから、重要なものだけを残して文章にまとめる方法がおすすめです。
職務要約を書くときの注意点
- 職務経歴と内容が矛盾しないようにする
- 経験年数や勤務期間を正確に記載する
- 仕事内容を抽象的な表現だけで終わらせない
- 実績があれば具体的な数字を使う
- 応募先で活かせる経験を優先する
- 職務経歴の内容をそのまま長く繰り返さない
- 誤字脱字がないか提出前に確認する
特に、職務要約と職務経歴の内容が大きく異なっていると、採用担当者が経歴を理解しにくくなります。職務要約は職務経歴書全体の「要点」と考え、後に続く内容と整合性を持たせましょう。
職務要約を読みやすくするポイント
最初に職種と経験年数を書く
冒頭で「営業職として5年間」「一般事務として4年間」のように経験を示すと、採用担当者がキャリアを把握しやすくなります。
仕事内容を具体的にする
「営業」「事務」だけで終わらせず、どのような顧客を担当したのか、どんな業務を経験したのかまで具体化しましょう。
応募先との関連性を意識する
職務要約は、自分の経歴をすべて紹介する場所ではありません。応募先の仕事内容を確認し、採用後に活かせる経験やスキルを優先して記載しましょう。
職務要約に関するよくある質問
職務要約は必ず書かなければいけませんか?
職務経歴書の形式によって異なりますが、職務要約を設けることで、採用担当者がキャリアの概要を把握しやすくなります。特に職歴が複数ある場合は、これまでの経験を簡潔に整理するためにも役立ちます。
職務要約は何文字くらい書けばいいですか?
文字数だけを基準にする必要はありません。重要なのは、経験した職種、仕事内容、スキル、実績などを簡潔にまとめることです。長くなりすぎて職務経歴と重複しないよう注意しましょう。
職歴が短い場合はどう書けばいいですか?
勤務期間が短くても、実際に担当した仕事内容や身につけたスキルを整理して記載しましょう。経験が少ない場合は、応募先で活かせる業務経験や資格、パソコンスキルなどを具体的に伝えることが大切です。
転職回数が多い場合はすべて書くべきですか?
職務要約では、すべての勤務先を詳しく説明する必要はありません。これまでのキャリアを簡潔にまとめ、詳しい職歴については職務経歴の項目で説明しましょう。
実績がない場合はどうすればいいですか?
売上や契約数などの目立った実績がなくても問題ありません。担当業務、業務改善、顧客対応、後輩指導など、具体的な経験を振り返ってみましょう。自分では当たり前だと思っている経験が、応募先では評価されることもあります。
職務要約の最終チェックリスト
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 経験 | 職種や経験年数が分かるか |
| 仕事内容 | 主な担当業務が具体的に伝わるか |
| スキル | 身につけた能力が分かるか |
| 実績 | 具体的な成果があれば記載しているか |
| 応募先との関連性 | 仕事に活かせる経験を優先しているか |
| 文章 | 長すぎず、読みやすくまとまっているか |
| 整合性 | 職務経歴書や履歴書と内容が一致しているか |
| 誤字脱字 | 提出前に最終確認したか |
まとめ
職務要約は、これまでのキャリアを簡潔にまとめ、採用担当者に自分の経験やスキルを伝えるための重要な項目です。
書くときは、まず経験した職種や業界、主な仕事内容、身につけたスキル、実績などを整理し、その中から応募先で活かせる情報を選びましょう。
「営業を担当した」「事務作業を行った」のような仕事内容の羅列だけではなく、具体的な業務内容や成果、仕事上の強みまで加えると、より自分のキャリアが伝わりやすくなります。
また、職務要約は職務経歴の内容をすべて繰り返す場所ではありません。採用担当者が短時間でキャリアの全体像を把握できるよう、重要な情報を絞って簡潔にまとめることが大切です。
今回紹介した3つの記入見本も参考にしながら、まずは自分の職歴を箇条書きで整理してみましょう。その後、応募先で活かせる経験を選び、読みやすい文章にまとめれば、初めてでも職務要約を作成しやすくなります。
完成した職務要約は、職務経歴書や履歴書と内容に矛盾がないか確認し、誤字脱字などもチェックしてから提出しましょう。









